ワーク・ライフ・バランス(WLB)と健康

わが国では,第1子の出産後に仕事を辞める女性は半数にのぼります。3歳未満の子どもを育てる母親の就業率は,米国では5割を超えるのに対し,日本は3割に留まっています。出産や育児期にあたる30歳代で,女性の働く割合が大きく下がるのは,主要7ヶ国(G7)の中で日本特有の現象です。その背景には働き盛り男性を中心とする長時間労働,家事・育児負担の女性への偏在など,ワーク・ライフ・バランスがとりづらい現状があります。

ワーク・ライフ・バランスは,伝統的には女性労働者の課題として論じられてきましたが,過重労働や雇用不安に伴うメンタルヘルス問題の増加,労働力人口の減少に伴う多様な労働力の確保,共働き世帯の増加に伴う育児支援の充実などが喫緊の課題となっている近年では,社会全体の問題として論じることの重要性が指摘されています(内閣府, 2014)。

しかし,わが国のワーク・ライフ・バランス対策は,少子化対策,男女共同参画,キャリア開発,育児支援の視点からは推進されているものの,健康支援の視点からの取り組みはいまだ着手されておらず,科学的根拠にもとづいた支援プログラムも存在していない状況にあります。

そこで,私たちの研究チームでは,「ワーク・ライフ・バランスと健康」プロジェクト,通称TWIN study(Tokyo Work-life Interface)を立ち上げ,保育園にお子様をあずけながら仕事に従事している共働き夫婦を対象に,仕事と家庭生活との接点が健康に及ぼす影響を継続的に検討しています。

本研究から得られる成果によって, わが国のワーク・ライフ・バランス施策や少子化対策が大きく前進することが期待されています。


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  • 2018.09.11 ウェブサイトを公開いたしました。